クロージングが必要ない営業

昨日のブログを書いていて、ふとこんなことを思いました。

「もしお客様が、すでに購買先を心の中で決めているとしたら――
私たちが『買ってください』と伝えるクロージングって、本当に必要なんだろうか?」

実は私は、クロージングという行為が昔から少し苦手でした。
「買ってください」と口にするたびに、どこか無理をしているような、押しつけているような感覚を持っていたからです。

でもあるときから、こう考えるようになりました。

クロージングは、売り込むためのものではなく、
お客様が納得して一歩を踏み出すための“寄り添い”のプロセスなんじゃないか。


では、クロージングとは何か。

それはきっと、
「次の行動に、お客様の背中をそっと押してあげること」。
あるいは、
「契約という節目を、お客様自身にも意識してもらうこと」。

つまり、クロージングは“最後の押し”ではなく、
お客様と一緒に進む未来への“確認の場”なんだと思うのです。


だから私は、こんな言葉を大切にしています。

  • 「ご提案した内容について、何か気になることはありませんか?」
  • 「もし進めるとしたら、どのような準備が必要になりそうでしょうか?」
  • 「次のステップを、ご一緒に考えさせていただけますか?」

「お聞かせください」「教えてください」「もし~だったら」――
これらの言葉には、お客様の気持ちを尊重しながら、自然と次のステージを意識していただける力があります。


クロージングとは、
無理に決断を迫ることではなく、
お客様の中に芽生えた「前に進もう」という想いを、
そっと言葉に変えるお手伝いなのかもしれません。